投稿が遅れましたがOB訪問の続きを。
火曜日は、Globis訪問後夜に再度HBS同期の一部で集まって、HBSの先輩で国内独立系ファンドでパートナーをされている方とディナー。ファンドの投資スタイルからHBSの生活に関することまで幅広くアドバイスいただきました。
印象的だったのは、
[PEについて]
・自分のファンドの投資スタイルは、投資チームで投資先の事業計画を立てて、立てたからには達成できる・達成するんだよねというスタンスで、投資先のマネジメントに積極的に関与し戦略・戦術を実行に移すスタイル。案件によるが、投資後半年間は投資先にハンズオンで支援を行うことが多い。ファンドであるので、安く買って高く売るというのが基本だが、高く売るための手段としてValueUpに力を入れている。そのままでもある程度うまくいく投資先でも、自分達が関与することでよりValueがあがるならば積極的に関与する。コンサルタント出身者がパートナー層に多いのがこの投資スタイルに影響しているかもしれない。
・投資先にとってファンドに投資されている期間は、学校/ビジネススクールのような位置づけでありたいと思っている。いずれはいなくなるということを前提としつつ、投資期間中はきつかったけれどもファンドと一緒にやったことで会社・事業として力がついたよね、つらかったけど有意義で楽しかったよね、と後から思われるような投資を行っている。
・IBやコンサルなどプロフェッショナルファームを経験していた人のほうが、仕事のスタイルなど入りやすい部分はあるが、必須というわけではない。IB/コンサル経験者でも、PEに入って学ばなければいけないことのほうが多いので、PEをやりたい人はダイレクトに入ってきても問題ないと思う。
[HBSについて]
・授業の内容は、細かな知識・テクニックを教えるのではなく、考え方・制度等の本質・思想を教えるものである。そのため10年以上たった今、例えば会計制度が新しく変わったり商法が改正されたりしても、その制度の本質を考えられるマインドができているのでとても今でも役に立っている。
・HBSでのサバイバルは大変だったけど、日本人同士でスタディーグループを作ったりして助け合うことで生き延びることができた。(ご自身は一つも、下位10%に与えられる成績のカテゴリー3がつかなかったとのこと!)
・下位10%といっても、実際は語学が不得意な留学生やビジネスのバックグラウンドが弱い学生等の下位30%がカテゴリー3をとることになるので、結局3倍くらいの戦いになる。この授業はやばいなと思ったら、あの10人にだけは負けないとターゲットを決めて、例えばその10人の誰かが発言したら自分も絶対発言するなど引き分け以上に持ち込むようにすることで、カテゴリー3をとらないですんだ。
・HBSでの経験は、卒業後も長い時間をかけて発酵するような感じで生きてくる。とてもいい経験ができると思う。
といったことでした。
このファンドの投資スタイルは、ValueUp重視系スタイルとして聞き及んでいたのですが、パートナーの方から生の声で聞くことができて、改めてファンドとして差別化ができているのだなと感じました。金余りの状況の中、いかにファンドとして投資先に付加価値をつけることができるかが、今後進むであろうファンドの淘汰再編を決めるのだなあと改めて感じました。
また、HBSでの勉強・サバイバル術もためになりました。サバイブは大変だけれども、長期的にRewardingであるというのは、後輩としてとても勇気付けられるお言葉でした。
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