先週後半は風邪をひいてしまい、学校をはじめて1日休んでしまいました。しかし休んだおかげで、週末に風邪は回復し土曜日のVCPEカンファレンスは参加することができ、日曜日には日本からいらした朝日ネットの山本社長と滝口副社長とのランチにも参加することができました。これについてもまた書けたらと思います、
さて今日は、マートン教授のFSFの授業でα Transportという概念を習ったので書き留めておきます。(実は、先学期のInvestmentManagementでもさらっと触れたのですがよく理解していませんでした。)
ケースとしてはSmith BreedenというAssetManagement会社だったのですが、SmithBreedenはMBS(住宅ローン担保証券)に投資を主に行っており、その分野においてはベンチマークとなるIndex(指標)を上回るリターンを出してきました。このベンチマークを上回る部分をαといいます。
そして、彼らはビジネスを広げるために、S&P500や普通のFixedIncome(国債や社債など)に投資する投資家に対しても、商品を販売したいと思い以下のようなコンセプトの商品を開発しました。(あくまでコンセプトですので、実際の商品はより複雑です。)
Equity Plus Fund
① MBSにいつもどおり投資 リターンはMortgage Indexのリターン+ α
② SmithBreedenがMortgageIndexのリターンを支払い、代わりにS&P500Indexのリターンを受け取るスワップ契約を他の機関投資家と結ぶ
(このスワップ契約に入るコストは、スワップなのでゼロです。期日がきたらリターンを交換するだけ。)
③ 結果Equity Plus Fundのリターンは、S&P500のリターン + αとなる
つまり、彼らはMBS投資におけるαという超過リターンを、スワップを利用することでS&P500のリターンにTransportして、S&P500+αのリターンをだす商品を作り出したわけです。この手法をαTransportというそうです。
これがなにを意味するかというと、何かのアセットクラスでα(ベンチマーク以上の超過リターン)をだすことができるファンドマネージャーは、他のどんなアセットクラスでもαをだすことができる、ということになります。具体例で言うと、αTransportを使えば、日本株の運用で2%のαをだせるファンドマネージャーは、インド株でもインド株の知識が何もなかったとしてもインド株Index+2%のリターンを出すことが出来るということです。
スワップを理解していれば当たり前なのかもしれないのですが、なかなかこの考え方は衝撃的でした。
この、「スワップを利用して自分のαを他のものにTransportする」、という考え方はなにか他のものにも応用できそうです。
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